コンサルティングの現場では、論理的な分析やフレームワークだけではプロジェクトが前に進まない場面が多々あります。
そこで鍵になるのが EQ(感情知能)の「共感」。クライアントの隠れた懸念を汲み取り、建設的に次の一歩をつくる力です。
本記事では、コンサルタントが日常的に直面する具体的シーンを取り上げ、共感がどのように活きるのかを解説します。
シチュエーション

要件定義や方針確認の場面で、クライアントが「はい、理解しました」と論理的には賛同しているものの、表情や声のトーンにどこか迷いが残っていることがあります。
たとえばセキュリティ要件の議論では「理屈としては問題ない」と答えているものの、心のどこかで次のような不安を抱えているケースです。
- 実際に運用できるのか心配
- 万が一インシデントが起きたらどうするのか
- 社内ユーザーから反発されないか
このような「言葉に出ていない懸念」が、後の手戻りや仕様変更につながる可能性があります。
共感の活かし方
ここで重要なのは、相手の感情に寄り添う姿勢を見せることです。
論理的な合意を確認するだけでなく、表情や声色を読み取り「まだ本音が隠れているのでは」と感じたら、一歩踏み込んで問いかけましょう。
実践フレーズ例
率直に、まだご懸念が残っているように感じます。セキュリティ面で不安な点などありませんか?
理屈としてはご理解いただけたと思いますが、実際の現場での運用を想像すると気になる点はありますか?
社内のユーザー視点で考えたときに、課題になりそうな部分はありますか?
こうした言葉かけにより、相手が安心して本音を話せる環境をつくることができます。
また打ち合わせの場で伺うのではなく、会議後に会議室の外で少し上記のヒアリングを行うや電話などで個人的にヒアリングすることも有効です。
効果
EQの「共感」を活かすことで、次のような効果が得られます。
- 潜在的な懸念を早期に把握できる → 後の手戻りや追加コストを防止
- 「理屈」だけでなく「気持ち」も理解してくれる安心感 → コンサルタントへの信頼を強化
- 課題が小さいうちに顕在化する → ディスカッションが前倒しで行え、プロジェクト進行スピードが上がる
まとめ
要件定義フェーズでの小さな表情の変化や声色の揺らぎは、クライアントの“本音”がにじみ出ているサインです。
論理的な説明力に加えて、共感をベースにしたリスニング力を発揮することで、信頼関係を深め、プロジェクト成功の確率を高めることができます。

コメント